「千津美がハーフである裏設定」が、物語の中に感じられる場面がいくつかあります。
例えば、『秋風揺れて』
何年も前に「くろの幸せな毎日」である話題で盛り上がりあったことを覚えているでしょうか?
あの無口な藤臣くんが帽子を無くした千津美を探すときに、彼女の容姿をどんなふうに説明したのかー
ちょっと考えると、「一年生で、ちまちましたガキっぽい女の子」と言ったのではないかと考えがちです。
物語の脇役達のほとんどは千津美の容姿をそう表現してますしね。
でも私は、藤臣くんに限ってはそれは絶対にないと思っています。
自分のことを「ちまちましたガキっぽい」などと表現されて嬉しい人など誰もいないでしょう。
藤臣くんはどんな最低と思える人間であっても、必ず一定の「敬意」を払う男の子です。
望月に対しても、「千津美に謝れば殴るのは勘弁してやる」と最初に言ってるところからもそれがわかります。
そしてお姉さんの帽子を飛ばして泣いている千津美を見た時、藤臣くんは間違いなく千津美に一目惚れしていると私は確信していますので、千津美の容姿をそんな言葉で表現することはあり得ないのです。
それでは口下手な藤臣くんはどんな言葉で千津美の容姿を説明したのでしょうか?
これが千津美がハーフの女の子で、白人の特徴のある容姿であると仮定すると、割とすんなり答えが導き出せます。
藤臣くんが「金髪のふわふわした髪の」、とか「亜麻色のふわふわした髪」「明るい茶色のふわふわした髪」の一年生の女子ーといえば、尋ねられた生徒は割と容易に千津美を特定できルのではないでしょうか。
初めて藤臣くんと千津美が出会った時、二人の間には割と距離があったことが、漫画からは伺えます。
「お姉ちゃんが行っちゃう」と泣いている姿にももちろん強い印象を持ったことは間違いないでしょう。
でも更に、千津美の容姿に遠くから見てもはっきりと分かるくらいの、何か他の女の子にはない特徴があったとと考えた方が自然であるし、藤臣くんが千津美に一目惚れした理由にも、一層リアリティを感じることができるのではないでしょうか?
次は千津美と藤臣くんを取り巻く脇役キャラについて述べたいと思います。