2023/03/29 (Wed) 13:56:56

意地悪の理由 - まみ

2023/03/29 (Wed) 13:58:04
Re: 意地悪の理由 - まみ
「千津美と藤臣くん」シリーズの不思議なことのは、ヒロイン千津美の近しいポジションのキャラの「名前が分からない」ことです。

例えば三浦さんと園部は「銀杏並木から」を除けば、全てのエピソードに登場しているのに、遂にファーストネームは分からず仕舞いでした。
千津美とは親友という設定なのに、ずっと苗字で呼び合う不思議な関係です。

そして、脇役を使い捨てにしない、脇役の恋模様まで丁寧描いてきたひかわ作品には珍しく、二人の恋の行方も中途半端なままで終わりました。

ただこの点には私自身は納得しています。

これはあくまで私の主観で、違う意見の方もいらっしゃるとは思いますが、私は、三浦さんと園部さんは千津美の「真の理解者であり味方」とは思っていません。

ですから、二人と千津美にある距離感を、苗字でお互いを呼び合うことによって表現していると私には感じられるのです。

もしかしたら。ひかわ先生は、はじめは豪法寺くんと三浦さん、小室さんと園部さんをカップルにする予定だったけれども、話が進むうちに二人は豪法寺くんと小室さんの相手としては相応しくないと判断して、考えを変えたのでは?と思っています。

二人の恋人には、やはり千津美を心から認めている女の子が相応しいと私は思っています。


話が横道にそれて?しまいましたが、そうであると千津美のお姉さんの名前が最後まで分からずじまいなのが、どうも不可解です。
皆さんも知っての通り、千津美のお姉さんは千津美の唯一の身内であり、数少ない彼女の理解者であるのにです。


ただこの疑問も「志野原姉妹がハーフという裏設定がある」と仮定して見ると、答えが出てきます。

「千津美のお姉さんはアメリカ風の名前ではないのか」

例えばキャサリンとかメアリーとか明らかに日本人ではない名前です。

その裏設定を隠すため、敢えて本編では名前は明かされなかった。


次に男性陣の豪法寺くんと小室さんについても見てみましょう。

豪法寺くんも小室さんも、初めて千津美と会った時、同じリアクションをしているのを皆さん覚えているでしょうか?

二人とも千津美のことをじっと見て「……」と何か心でつぶやいているのです。

千津美の外国人の特徴のある容姿に、つい見入ってしまった、そして千津美に興味を持った(小室さんの場合は一目惚れかもしれません)と考えても、場面が自然に繋がるのではないかと思います。



そして最後に「独断と偏見組」ですが、彼女達の意地悪も単純ではない感情が見えてきます。

千津美の大人しいくせに人目を引く容姿がずっと癇に障っていた。そこへ来て藤臣くんというとびきりカッコいい彼氏まで出来てしまった。

自分の中の嫉妬の感情を抑えることができず、千津美のドジで頼りない部分に集中砲火を浴びせ、「あんたみたいな普通以下の子がなぜ藤臣くんと〜」と、自分の意地悪を必死に正当化しようとしたと考えることができます。

千津美が普通以下でも取り柄がない女の子でもないことは、多くの賢明な読者が物語からちゃんと読み取っています。

千津美はひかわ先生の他の作品のどのヒロインと比べても、周囲の人の残酷な言葉晒され続けられる、ある意味受難のヒロインです。

でも違う見方をすれば、それだけ周囲の人は千津美に「強い関心」を持っているということになります。


一見、同性から見て理想の姿にのような琴音さんは多くの男性に憧れられるけれども、決して恋には発展することはない「選ばれない女」です。

人一倍プライドが高く自己愛も強いのに、周囲の人達が自分に「無関心」であることに燻り続けている朝子。

私には琴音さんと朝子の方が千津美よりもずっと寂しい女の子に見えるのです。



次回はカードギャラリーの「3枚のイラスト」から、『銀色絵本』の、その後の物語を探っていこうと思います。

また読んでくだされば嬉しいです。
2023/03/29 (Wed) 14:02:54
Re: 意地悪の理由 - まみ
花粉症のため、サクサクと更新できずにすみません。

なんだか都市伝説!?のような考察ですが(滝汗)、こんな考え方もあると寛大なお心で、楽しんでくださると嬉しいです。

桜も開花しました。

皆様、お元気てお過ごしくださいませ(ぺこり)

まみ